内陣(撮影:神崎順一)
当寺の本尊である如意輪観世音菩薩様は、名前の通り、思いのままに願い事をかなえてくれる「宝珠(如意宝珠)」と、魔を打ち砕く「輪宝(法輪)」を持っておられます。
人々の苦しみを除き、願いをかなえ、特に長寿、安産、魔除に功徳があるとされています。
平安時代に書かれた『今昔物語』に次のような話が載せられています。
ある時、観音様の熱心な信者であった年の若い侍が一条堀川の橋を渡る鬼に唾をかけられ姿が見えなくなってしまいました。侍は信心する六角堂に篭って祈ったところ、観音様よりお告げがあり、朝早くに出会った牛飼いに付いていきました。行った先には長者の家の姫君が病気で床に伏しており、そばにいた修験者が祈祷したところ侍の姿は元に戻り、姫君も病が治りました。それから先、侍も姫君も病になることは無く、観音様のご利益は希有なことであったと結ばれています。
古来より六角堂ご本尊如意輪観世音菩薩様は、特に寿命を延ばす、病気を治すなどの健康面でのご利益があるとされ、子宝に恵まれたり、難産を緩和させるといったご利益もあります。
また、「華道発祥の地」ということもあり、全国から技芸上達を祈る参拝者が絶えません。