『聖徳太子絵伝』 (池坊総務所蔵)には太子が3歳の時、父(のちの用明天皇)から「桃と松ではどちらを好むか」と尋ねられ松を選んだという逸話が残されています。その理由として太子は「桃の花が美しく咲くのは一瞬だが、松の緑は永遠だから」と答えました。常緑の松の葉に永遠の命を捉えるという考え方は、花伝書 『池坊専応口伝』にも記され、現代にも受け継がれています。
『聖徳太子絵伝』に描かれる桃と松の場面は、乳母に抱かれた3歳の太子、向かい合うように父の用明天皇が描かれ、場面奥に松、桃が配されています。
エピソード
01
3歳にして
松の永遠性を見抜く
松の永遠性を見抜く