池坊の精神は室町時代に記された「専応口伝」に凝縮されているといえます。
我々池坊は、ただ単に美しい花だけを愛でるのでなく、枯れた花木にも命があり、その命すべてを生け表します。そして、花を生けることで悟りを得ることもあると述べ、「道」としての哲学性を記したことで「華道」が成立しました。
…もっと見る
花には不思議な力があります。
それは人と同じ“束の間の存在”でありながらも、太陽を目指して枝を伸ばそうとする力強い生命感が、人に“力”を与えるのです。
戦乱の世、京の都でも多くの命が飛花落葉の如く失われました。
その戦乱の時代に専好は、先人の教えに従いながらも、試行錯誤を重ねつつ、日々草木の命と向き合い花を立て、多くの人に“花の力”で希望を与えたのでしょう。