見学・体験レポート
2020.12.08

「第14回池坊学校華道家元研修講座」を行いました

12月5日(土)、6日(日)の両日、京都・池坊にて「第14回池坊学校華道家元研修講座」が行われ、第22回学校華道インターネット花展の入賞者、Ikenobo花の甲子園2019地区大会個人賞 最優秀者、ならびに支部長推薦者合せて17名が参加しました。

14回目を迎える同研修は、今回は新型コロナウイルス感染症対策を取りながら「家元でしか出来ないプレミアムな体験・家元ならではの研修内容」をコンセプトに、実施。
今回の講師は池坊中央研修学院 研究員 柿沢正一氏とIKENOBOYS 江木 淳人氏が務めました。

◇ 12月5日(土)
はじめに、家元道場にて開講式を挙行し、神聖な雰囲気の中、研修がスタートしました。

続いて、昼食を取りながら、オリエンテーションと自己紹介を実施しました。

次に、フィールドワークとして、六角堂・資料館を見学。その後、池坊中央研究所 細川武稔氏による「家元研修講座特別編 池坊歴史講座」を実施。講座では「池坊専定の時代を探る」というテーマで、今年刊行200周年を迎えた「挿花百規」、六角堂の歴史、また「池坊専応口伝」を引用し、池坊いけばなの精神性、考え方についても解説しました。

 
開講式の様子



開講式の様子

次期家元と参加者による集合写真



次期家元と参加者による集合写真

 

その後、「生花(しょうか)」の講義とデモンストレーション。基本の役枝(真・副・体)・あしらいの説明から“出生や水際”など生花(しょうか)に大切なもの、床の間や役枝に見られる陰陽について講義を受けました。続いて、講義を踏まえ、生花の実技。参加者の中には、初めて、生花(しょうか)をいけた参加者もおり、新たな世界を感じている様子でした。

次に、「グループ制作」の講義と実技を実施。グループ制作を行う上での流れ、ポイントについて講義し、3〜4人1組に分かれ、作品制作を行いました。用いる花材や花器をグループ内で相談の上、決定し、お互いの意見を出し合い、協力して作品を完成させました。 参加者同士で積極的に関わり、コミュニケーションをしっかりとる姿が印象的でした。

 
生花実技の様子



生花実技の様子

グループ制作の様子



グループ制作の様子

 

◇12月5日(日)
二日目の研修は、六角堂本堂前に仏前供花し、本堂内陣にて華道文化の発展と参加者の華道技術の向上を祈念しました。

続いて、「自由花」の講義を実施。自由花をいける一連の流れ<発想→テーマ設定→制作→完成>までを掘り下げて講義し、その後実際に自由花のデモンストレーションを行いました。参加者の皆さんも先生方のアシスタントとして参加し、「クリスマス」をテーマにした大作を完成させました。

その後、修了花展に展示する作品のいけこみ。花器庫から気に入ったものを選び、花材との取り合せも考えつつ、研修で得たことをいかし、思い思いの作品をいけこみました。

 
仏前供花



仏前供花

自由花デモンストレーション



自由花デモンストレーション

 

午後からは、六角堂の鐘つきを行った後、作品発表会を行いました。お互いの作品を見合ったり、作品の写真を撮ったりと、今後の作品制作の参考にしようという姿勢がうかがえました。
その後、修了式を挙行し、講師の池坊中央研修学院・研究員の柿沢正一氏から参加者1人ずつに、修了証を授与しました。

参加者の皆さんにとって、まさに“花修行”の2日間となり、いけばな発祥の地 京都・池坊=家元でしか出来ない経験、家元ならではの貴重な体験ができ、充実した研修になった様子でした。また、研修を通して、次の目標が見え、さらにお稽古に取り組もうという意欲が増した様子もうかがえ、無事、二日間の研修を終えました。

 
六角堂鐘撞



六角堂鐘撞

作品発表の様子



作品発表の様子

 
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