家元・次期家元が六角堂本尊に「祈りの花」を奉じました
4月17日(金)、頂法寺六角堂において、新型コロナウイルスで亡くなられた方々の慰霊と一日も早い終息を祈り、住職・華道家元 四十五世 池坊専永と副住職・次期家元 池坊専好が、菊の生花(しょうか)をいけ、本尊如意輪観世音菩薩に供えました。
六角堂の本尊は古くより、人々の苦しみを除き、長寿、魔除に功徳があるといわれています。
生花は、四海波(しかいなみ)と呼ばれる花器にいけられ、四角い花器口が「天下」を意味する四海を表し、側面に付く四つの丸鐶と丸耳は「八方円満」を象徴します。波風が収まり、世界の平和を祈願する際に使用されます。本尊に奉じた菊の花言葉は「傲霜」(ごうそう)で、晩秋に大方の花が散ってなお、霜を恐れず花を咲かせる姿に、外圧に屈せぬ気骨ある人物に喩えられました。傲霜の「傲」は誇り高く屈しないことを意味することから、霜に負けない=新型コロナウイルスに負けないという思いを表現しています。
供花にあたり、家元は、
「このたび、日本のみならず世界規模で猛威をふるっております新型コロナウイルス感染症の脅威は、私たちの日常を大きく揺るがす事態となっています。目に見えない脅威にさらされている私たちの心もまた、日々、やり場のない恐怖に冒されつつあります。この大禍に際し、僧侶として、また、花の道に生きる者としてできることは、心からの祈りを込めた花をいけることと心得ました。
本日17日、明日18日は、観音さまの縁日でございますれば、当山のご本尊であられます如意輪観世音菩薩に花を奉じ、新型コロナウイルス感染症により尊い命を落とされた方への慰霊と、一日も早い感染症終息のご縁をいただくべく、あたう限りの祈りを込め供花を勤めさせて頂きます。
また本山は、見真大師(親鸞聖人)が百日の参籠をされ、観音様の夢告を受けられたとされる地でございます。このご縁にあやかり、新型コロナウイルス感染症の打開と、世の安寧が得られますことを切に祈ります。」と述べられました。
なお、境内には池坊中央研修学院講師 土屋郁剛氏の大作いけばながいけられました。
黄色の菊をいけられる家元
白色の菊をいけられる次期家元
本尊如意輪観世音菩薩に供えられました
境内にいけられた大作