イベントレポート
2024.04.24

いけばなの根源池坊展 仙台花展を開催しました

宮城県仙台市の仙台三越で4月17日から22日、「華の軌跡」をテーマにいけばなの根源池坊展を開催しました。仙台でのいけばなの根源池坊展は2年に1度開催されており、華道家元四十五世 池坊専永家元、池坊専好次期家元はじめ東北地方で活躍する華道家の作品が展示されます。今年は6日間の期間中、延べ約270点を展示しました。

初日の17日には開会式が行われ、テープカットによる開会の後、家元、池坊雅史事務総長による巡視が行われました。2次展では池坊美佳審議役、3次展では次期家元による巡視が行われ、出瓶者は花材や作品のテーマなどについて説明しました。

家元花席にはトショウ、マサキ、乙女百合の立花新風体の大作が展示されました。「うしろすがた」と題された作品は、シャレボクとシャレイタを前後に、大枝のトショウと新緑のマサキが配された中に乙女百合が佇む作品で、来場者は足を止め、じっくりと鑑賞されていました。

次期家元花席には、カエデ、ボケ、松、チューリップアンスリュームを中心に13種類の草木を用いた立花新風体が展示されました。作品は掛けの大作で、大枝のカエデが前に振り出し、地域で生産されたボケが使用されました。作品の影も印象的で来場者は花席全体をカメラに収めようとしていました。

いけばなの花形の変遷をたどる「いけばなの軌跡」のコーナーでは、立て花、立花、生花、新風体様式を順に展示し、室町時代から現代へと受け継がれる池坊のいけばなをご覧いただきました。常緑の松に当季の花である桜やツツジ、ヤマブキを合わせた作品やバラやストレリチアなどの洋花を印象的に使った作品など、伝統や型に基づきながらも華道家それぞれの美意識を感じる力作が並びました。

植物のいのちの輝きを自由花で表現する「ハナノキセキ」のコーナーでは、花の見せる刹那的な美しさに注目し、象徴的に見せる展示を行いました。照明が落とされた展示エリアにはコチョウラン、ゴールデンスティック、グロリオサなど特徴ある草花を使った作品やアレカヤシ、アスパラなど葉ものを大胆に使った作品など独創的な作品が並びました。また、会場の一角には学生席が設けられ東北地方で池坊を習う学生24名が作品を出瓶しました。

期間中は天候にも恵まれ、多くの方にご来場いただきました。ご来場、誠にありがとうございました。

<いけばなの根源池坊展>

9月11日~16日 松坂屋名古屋店(愛知)
9月25日~30日 岩田屋本店(福岡)

この記事のシェアをぜひお願いします。