2023年 祇園祭に各所でいけばな作品が展示されました

日本の三大祭の一つで、豪華な美術品で飾られた山鉾が並び、京の夏の風物詩として知られる祇園祭。山鉾町では宵山の期間、御神体や懸装品を公開する会所飾りや、所有する美術品などを披露する屏風祭が行われます。
今年はコロナ禍の制限が解除され4年ぶりに本来の形で開催され、池坊では山鉾が建つ前祭・後祭にあわせて、厄除けの花と伝わるヒオウギ（檜扇）のいけばな展示や立花の奉納を行いました。また、六角堂においてもご本尊にヒオウギを供えました。

◇池坊短期大学「花きらきら」次期家元特別出展

7月15、16日の両日、池坊短期大学 アートフォーラムで祇園祭協賛「花きらきら」が開催され、池坊専好次期家元による特別出展がおこなわれました。このイベントは、祇園祭に合わせて例年開催されるもので、授業でいけばなを学ぶ学生たちの作品発表の場となっています。
次期家元は、強風大雨のため折れてしまった梅の枝、アブライト、キキョウなどを使った涼しげな大作を展示しました。
昨年まではコロナウイルスのため一般の来場者の入場はありませんでしたが、今年は一般の来場者も迎えての開催で、会場はにぎわいました。

池坊専好次期家元の大作

学生によるいけ込み、池坊保育園児の作品展示

花きらきら花展の様子

◇南観音山のご本尊にいけばなを奉納

祇園祭の山鉾のひとつ、南観音山のご本尊・楊柳観音像（ようりゅうかんのんぞう）にいけばなを奉納しました。
いけばな奉納は毎年池坊で行っているもので、ご本尊に立花を、ご本尊脇の善財童子（ぜんざいどうし）に仏花を奉納しました。いけばなは、後祭期間中の7月21日から23日まで展示されました。

奉納されたいけばな

◇第37回～祇園祭にいける～いけばな展　ストリートギャラリー

京都いけばな協会に所属する流派が、八坂神社前の祇園石段下から烏丸までの四条通のショーウィンドウをストリートギャラリーとして、いけばなの作品を展示。
池坊からは京都支部の城野眞理子支部長が7月15日から17日まで豊田愛山堂に作品を展示しました。

城野氏の作品

◇池坊短期大学　山鉾町会所にいけばな展示

古くから退魔の力があると考えられてきたヒオウギは、祇園祭の頃、京都の町屋の玄関や床の間に飾られてきました。
池坊短期大学でいけばなを教える教授陣が前祭期間中の7月14日から16日まで、山鉾町の会所にヒオウギのいけばなを展示しました。
▼岩戸山（森川佳代教授）
▼放下鉾（藤井真准教授）
▼綾傘鉾（今川有紀専任講師）

放下鉾のヒオウギ

◇京都府庁でヒオウギのいけばな作品展示

7月20日から24日まで、京都府庁2号館1階に京都支部の正村曉子氏がヒオウギ1点用いた生花正風体を展示しました。

正村氏の作品