「両足院マルチバース展2022」で次期家元 池坊専好とTHINK AND SENSE の新作インスタレーションが展示されました
臨済宗建仁寺派両足院(京都市東山区)で12月22日から25日まで「両足院マルチバース展2022」が開催され、同院の方丈に池坊専好次期家元とTHINK AND SENSEによる新作インスタレーションが展示されました。
作品は、いけばなの変化を三次元カメラで捉え、蓄積されたデータをカラー画像などに変換し、展示空間に投影していくというもの。時間芸術としての側面をもついけばなの「命の動き」をデジタルテクノロジーで視覚化する、時空間に作品が展開する新しい試みになりました。
いけばなには、ロウバイ、若松、水仙、椿が使われ、椿の花が開く様子やロウバイの葉が揺れたり散る動き、また、姿を留め続ける若松の姿などを随時計測。データは10分ごとにカラー映像や点や線のデジタル映像となって、襖絵として投影されました。
24日に開催されたアーティストトークには、次期家元とビジュアルアーティストの松山周平氏、オンラインで画家の中山晃子氏が参加しました。
次期家元は「いけばなとデジタルの映像が一つの調和を持って存在していることが嬉しい。新しい取り組みのプロセスの面白さだけでなく、できた作品の世界観も楽しんでいただきたい」と話しました。中山氏は「テクノロジーが先行しがちだが、相乗効果を生み出すものとして内容の方も大切。今回の取り組みはテクノロジーについても考えることのできる良い企画と思う」。松山氏は「テクノロジーは変化し新しくなっていくもので、今という時代を切り取る装置のようなもの。様々な分野との組み合わせで新しい表現もできるようになるのでは」と話しました。
同展では、実際の両足院での展示と並行して、ヴァーチャル両足院で中山晃子氏の作品「泡沫の形」が展示されました。
来場者はデジタルテクノロジーの新しいコラボレーションを興味深そうに見学されていました。