池坊全国大会がCNAアリーナあきたで開催
一般財団法人 池坊華道会の全国大会が6月5日、CNAアリーナあきたで開催されました。
本大会は(一財)池坊華道会総裁である池坊専永家元から当年度の活動指針の発表、また、前年度の事業と決算の報告や当年度の事業計画と予算の報告、いけばな振興についての意見交換が行われます。2020年および2021年は新型コロナウイルス感染症の拡大により中止となりましたが、今年は3年ぶりの開催となり、全国から約1500名の会員の方が参加されました。
大会ではオープニングの催しとして、秋田県立男鹿海洋高等学校による”なまはげ太鼓”が披露され、なまはげに扮した学生の迫力ある和太鼓のパフォーマンスが大会を盛り上げました。続いて、来賓の佐竹敬久秋田県知事、穂積志秋田市長からご挨拶をいただき、コロナ禍を乗り越えて秋田市での開催となることを歓迎いただきました。開会の後には、清水富喜子評議員(秋田支部)から開会の辞が述べられました。
総裁説示で家元は「伝統の再認識」と「いけばなを披露する意味」について話され、「いけばなは環境に挑むものではなく、環境を生かすからこそ生かされる」「勝ち負けではなく和合を求めることで美を生み出す。そしてそれが和と美の精神に繋がっていく」と説かれました。
事務局からの報告では、池坊雅史事務総長より、文化庁の伝統文化親子教室の助成事業や子供たちのための伝統文化の体験機会回復事業、海外の会員制度の導入について説明され、また、戦後すぐに開催された池坊いけばな展のテーマ「総てが滅びても魂を失わざる民族は永遠である」という言葉を紹介され、厳しい状況の下でも学び続けることの重要性や活動を続けることの意義を伝えられました。
続いて、学校法人池坊学園からの報告では、今年、理事長に就任された池坊美佳青年部代表より「池坊学園にこれまで携わってこられた方々に感謝し、池坊の輝きを失うことなく、未来にしっかりと役割を果たせる学園であるために頑張っていきたい」と抱負が述べられました。池坊華道文化継承功労者表彰では、功労賞が土屋郁剛氏(京都支部)と井上経子氏(両備支部)に贈られ、出席の土屋氏より謝辞が述べられました。
最後に、池坊専好次期家元より「コロナ禍により立ち止まり、これまでの在り様を振り返る時間が与えられました。これからどうあるべきなのか、どうありたいのか、未来に想いを馳せることにも繋がります。池坊にとって、コロナ禍を経験し、そこから学び、示唆を得て、未来づくりに向けた一歩を踏み出す時を迎えていると思います」と話されました。
大会は、秋田支部の石和田あや支部長の閉会の辞の後、終了しました。
2023年度 池坊全国大会
日時:5月21日(日)10:00~
場所:別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)/大分県別府市