次期家元 池坊専好 歴史街道推進協議会設立30周年記念フォーラムに登壇
11月1日、歴史街道推進協議会設立30周年記念フォーラム「未来へ続く歴史街道」が大阪市中央公会堂1階「大集会室」(大阪市)で開催されました。フォーラムでは、彬子女王殿下の特別講演に続き、パネルディスカッションが行われました。
大阪市中央公会堂
パネルディスカッションでは、「受け継がれる伝統文化」をテーマに次期家元 池坊専好、千種清美氏(文筆家・皇學館大學非常勤講師)、山本佳誌枝氏(山本能楽堂事務局長)、吉岡更紗氏(染司よしおか六代目・染織家)がパネリストとして登壇。高橋一夫氏(近畿大学経営学部教授)がコーディネーターを務めました。
パネルディスカッションの様子
伝統文化を受け継ぎ伝える喜びや苦しみ、どうすれば本物の伝統文化に出合うことができるのか、という質問に次期家元は「伝統は、心の財産。いけばなの造形的な美しさに加え、ありとあらゆるものを温かく受け止める哲学を伝えていきたい。今を生きるための力にしていただきたい」「いけばなとは何だろうと追求することにより、本質が現れてくるのでは。この世に生きるお一人お一人が、みんなが、文化の受信者、発信者であり、伝承者だと思う。文化は人の中で続いていく。人のつながりに期待したい」などと述べられていました。
高橋氏は「伝統文化は、まずは体験し、最初の感動を知ることが大切で、そのためには稽古に行くことも必要である。日常の中で私たちが体験、感じていることを大事に過ごすことが、伝統文化の継承につながるのではないか」と締めくくりました。
聴講者からは「〝楽しかった記憶〟〝感動〟が、日本文化をつないでいくために大切だとわかり、私もいろいろな伝統文化に触れてみたいと思いました」などの感想が聞かれました。
歴史街道とは
伊勢~飛鳥~奈良~京都~大阪~神戸を結ぶ、古代から近代までの日本の歴史の舞台が連なるルート。歴史街道推進協議会は平成3年に官民62団体で発足。