家元・次期家元
2021.09.23
次期家元 池坊専好が(一社)京都経済同友会 支店長部会で講義を行いました
(参加者に一言ずつ講評を述べる次期家元)
一般社団法人 京都経済同友会 支店長部会の第3回例会が9月13日に池坊会館で開かれ、同会の副代表幹事を務める池坊専好次期家元が講演に続き、いけばな体験の指導を行いました。
(六角堂境内見学の様子)
参加者37人は六角堂境内、いけばな資料館を見学し、細川主任研究員から六角堂の歴史や、今年千四百大遠忌を迎える聖徳太子と池坊の関わりなどについて説明を受けました。
続いて一行は2階ホールで講演を聴講しました。次期家元は、『いけばな文化の課題とこれから』をテーマにいけばなの美感、精神性について、歴史を振り返りながらさまざまな資料を用いて説明。「草木の全ての状態に美を見出すのがいけばなであり、文化という物差しを通して見ると、経済的には売り物にならない存在でも価値をつくり出せる」と述べました。また、「伝統文化は動く存在」と話し、環境問題を意識したいけばなや、男性や若い世代に向けた企画といった、現代生活に合う池坊の取り組みについても紹介しました。
(いけばな体験の様子)
その後、プログラムはいけばな体験に移り、まず参加者はいけ方の説明を受け、栗、コスモス、リンドウといった季節の花などさまざまな花材を用いて自由花を体験。講評では作者がテーマと作品に込めた思いを発表し、『山の秋』、『癒し』、『ウイルス退散』などと題した個性的な作品が完成しました。
最後に次期家元は「いけばなにはルールもありますが、まずは堅苦しく考えないで、季節を花で楽しみ、見る方に喜びを届けるという気持ちでいけていただければ」と結びました。参加者の一人は「いけばなは純粋に楽しく、心を癒してくれる存在だと体感しました」と本会の感想を話していました。