京都・三十三間堂「春桃会」で次期家元が献華奉納
蓮華王院 三十三間堂(京都市東山区)で3月25日、「千体仏国宝指定慶讃結願大法要」が「第17回春桃会」として行われ、次期家元 池坊専好が献華を奉納しました。三十三間堂では毎年3月3日に春桃会を営んでいますが、今年はコロナ禍での緊急事態宣言により、25日に延期されました。
次期家元は第1回春桃会から5年ごとに参加しています。今回は平成30年に「千体観音立像」が国宝に指定された記念法要の総決算となるため、献華奉納されることになりました。当日、三十三間堂は無料で開放されました。
午前10時、報道陣や参拝者らが参まった堂内で、三十三間堂本坊・妙法院門跡 杉谷義純門主を導師に法要が開始。次期家元は声明が響く中、本尊の国宝・千手観音坐像の前で銅器「紫雲」に桃の生花をいけました。
終了後、次期家元は報道陣に「桃の法会ということで、桃の一種生を奉納しました。一種生は混じり気のない、花そのものの力を表現します。仏前供花の原点に立ち返り、仏様、花の力で一刻も早く平穏な状態に戻ることを祈りました」と話しました。
献華に先立ち、9時45分から東大門において、杉谷門主、次期家元らにより東庭改修披露のテープカットが行われました。池泉回遊式庭園にはいつでも花が楽しめるよう、四季の樹木がたくさん配され、また江戸時代、三十三間堂はカキツバタの名所と呼ばれていたことから池の所々にカキツバタも植えられたということです。
また、法要当日、堂内では池坊京都支部(城野眞理子支部長)の役員らによる奉賛いけばな10瓶が展示されました。国宝・二十八部衆像それぞれに供える形になり、訪れた人々は尊像と共に春の花材を用いた立花、生花、自由花を楽しんでいる様子でした。
午後からは茂山千五郎家による堂狂言も奉納されました。