2024池坊ワールドセミナーを開催しました
2024池坊ワールドセミナーが、7月30日から8月2日まで京都・池坊で開催されました。一般財団法人池坊華道会が主催する、全世界から参加募集を行う初の講習会で、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・アジアの17カ国・地域の50支部・スタディグループから169名の会員が参加しました。
期間中、職位ごとに5つのレベルに分け、計8クラスを開講。野田学教授、小林春荘教授、西田永教授、清水新一教授、倉田克史教授、古川浩孝准教授、島津範好講師、三浦大生講師が講師を務めました。また、通訳を赤星佳世子千葉市支部長、千賀通江中央委員(拓修会支部)、茅野真弓中央委員(諏訪支部)、塩野敬子中央委員(京都支部)、ボブロブ千寿子大阪橘会支部長が担当しました。
初日9時から池坊2階ホールで開講式が行われ、池坊雅史事務総長はあいさつで「池坊いけばなの哲学と精神を五感で学んでください」「池坊の『和と美』の精神は、世界に平和をもたらすことができます」と話しました。続いて野田教授が講師代表あいさつを述べました。
初日の午後から、池坊専好若宗匠が各クラスを訪問、出身地や講座内容について質問されるなど、受講生と交流しました。
8月1日18時半から懇親会が市内のリーガロイヤルホテル京都で、147名が参加のもと開かれました。
司会は藏重伸岩国支部長が務め、事務総長があいさつをしました。ダニエル・アグネス コロラド支部長、CIS支部のセッツェファント・レジーナ氏が受講生代表あいさつを述べました。
受講生の声
①参加理由
②セミナーを通しての学び・今後の抱負
▼Aクラス〈華掌以上〉ミチコ・ハイド氏(豪・メルボルン支部)
①今までいけばなを学んできた中で、自分の知識の迷いやわからないこと、そして知りたいことの知識を高め、疑問をクリア―にすることが今回のセミナーの課題でした。Life is too short. この言葉通り、今私がやりたいことは何かと考えた時に、いけばなを続けることでした。コロナ禍、華道会の映像を購入したことにより花をいける楽しさを教えてもらいました。
②池坊いけばなは命があることを学び、文化の遺産ではないことを確信しました。今回のセミナーで学んだことは、支部員はもちろん池坊いけばなを学びたい人たちにシェアし、たくさんの方にいけばなの楽しさをお伝えしたいです。
▼Bクラス〈脇教授3級以上〉ジュンコ・ニノミヤ氏(フランス支部長)
①新しい知識の習得と、今までに学んだ技術や知識の補完が課題でした。フランスでは、なかなか池坊いけばなを学べる場所がないので、帰省を機に参加を決めました。
②他の方の手直しを見て、あいまいな部分は気づく度に先生に質問して、確実な知識としました。フランスでは手に入りにくいカキツバタを学んでさらに上達し、その奥深さを知ることができました。今回の学びを、私の生徒さんたちの上達役立てたいです。
▼Cクラス〈准教授3級以上〉テレサ L.セルドレン氏(フィリピン・カガヤン.デ.オロ支部長)
①池坊の自由花をより勉強したい、現代の立花と生花についても勉強をしたいと参加を決めました。
②自由花の技術や指導について勉強できたので、学んだ知識を生徒さんの指導に活用したいと思います。池坊の歴史についても復習できました。
▼Dクラス〈正教授3級以上〉スーザン・ハネー氏(米・シカゴ サバーバン支部長)
①親先生がいないため、日々疑問に思ったことをためて、講師に質問しようと思いました。
②ワールドセミナーでは、世界から来日する会員と交流できるいい機会となりました。セミナーで学んだことを生徒や、他支部の会員、特に親先生がいない会員に伝えたいです。
▼Eクラス〈正教授3級以上※日本語のみ〉吳尚洋氏(台湾・高雄支部)
①36年間いけばなを学び、中央研修学院に入学したいと思っていますが、仕事のためなかなか時間が作れません。華道の初心に戻り、皆さんと交流し勉強したいと、コロナ収束後、すぐ申し込みました。
②今回のセミナーでは、深い内容を分かりやすく説明していただいたので、いけばなの基礎をより固められたと思います。細かい技術から規矩を守りながら個人の美を追求することまで、大変勉強になりました。習った細かい技術と池坊いけばなの精神性を自身の指導に生かして、生徒の皆さんにも池坊いけばなの美と深さをシェアしたいです。