イベントレポート
2023.07.10
令和5年 道祖小野妹子墓前祭を行いました
道祖小野妹子墓前祭が、その命日である6月30日に、大阪府南河内郡太子町の小野妹子廟において厳かに行われました。
池坊の道祖である小野妹子は、607年に聖徳太子が日本最初の外交使節として遣った遣隋使として知られています。太子により持仏である六角堂本尊の供養を命じられた妹子は出家して名を専務と称し、日々仏前に花を供え、華道の根源が胚胎しました。
妹子の命日となる6月30日には「道祖小野妹子墓前祭」が催され、毎年全国から多くの池坊関係者が参列して道祖へ一年のいけばな創作活動の報告と今後の精進を誓うとともに益々の華道の発展を願う、池坊にとって大切な行事です。
妹子廟は、1922年に田園の中にぽつんと荒廃した塚があったものを四十三世専啓宗匠が塚の周りの田地を含めて修築され、桜を植樹して現在の姿になったものです。
時折小雨が降る中、一行は小野妹子廟に隣接する科長神社(しながじんじゃ)からアジサイが美しく咲き誇る石段を登り、墓前に特設された舞台まで参進。科長神社宮司により祭祀が執り行われ、池坊奈良県支部(献華:村井敬子氏、後見:三浦知月氏)、池坊浪速支部(献華:福島好美氏、後見:八百美紀氏)による一対の菊の生花が献華奉納されました。
池坊専好次期家元、池坊雅史事務総長、池坊専宗氏をはじめ、田中祐二太子町長らご来賓のほか、近畿地区を中心に全国各地から門弟が参列し、道祖小野妹子の墓前で偉業を偲ぶとともに華道のさらなる発展を祈念しました。