2023年 春のいけばな展-池坊中央研修学院祭-を開催しました
華道家元池坊では「2023年 春のいけばな展-池坊中央研修学院祭-」を3月24日から27日まで、家元道場、華道家元池坊(池坊ビル)、WEST18で開催しました。期間中、全国およびアメリカからの出瓶者による作品が延べ約700作展示されました。
家元道場には、華道家元四十五世 池坊専永家元、池坊中央研修学院学院長の池坊専好次期家元の作品、また、名誉教授、特命教授のゼミの花席が設けられました。家元の作品はユキヤナギとタケシャガの立花新風体、次期家元の作品は前期はボトルツリー、オキナワシャガ、紫花菜、後期はドラセナ、イオノジューム(ももちゃん)、カンガルーポーを使った生花新風体が展示されました。
華道家元池坊(池坊ビル)1階には、次期家元の大作の自由花が展示され、また、8階の日本華道社売店には「特命教授(U-80)が銅器にいける」として8名の特命教授による生花コーナーが設けられました。
7階には、中村福宏立花研究室・生花研究室、野田学自由花研究室、小林春荘立花研究室、村上謙治自由花研究室の作品が、6階は清水新一立花研究室・生花研究室、倉田克史生花研究室、古川浩孝立花研究室の作品が展示されました。5階には立花・生花・自由花の特修クラスの作品が、4階には西田永古典立花研究室・立花研究室、佐々木康人自由花研究室、石渡雅史生花研究室、土屋郁剛生花研究室、古典立花の特修クラスの作品が展示されました。
WEST18ビルの7階には、講師と客員教授、研究員、特別嘱託講師の作品のほか、第46期特別科卒業生の作品が並び、特別科卒業生の作品は同学院の在学生や修了生が気に入った作品を選ぶ「中研祭大賞」が前期と後期に分けて選ばれました。また、1階には池坊短期大学と池坊保育園の作品が展示されました。
24日と26日には、家元、次期家元、池坊美佳青年部代表、池坊雅史事務総長による巡視が行われ、出瓶者はそれぞれに作品の狙いやテーマ、花材についてなど説明をすると、アドバイスを受けたり激励されました。
25日には11時から六角堂で花供養会が行われ、次期家元と池坊専宗氏が臨席のもと、白菊の生花が献華、奉納されました。献華は献華奉仕者を秋葉玲子氏(東京生成会支部)が、介添えを真壁弘典氏(東京千祥会支部)が務められ、秋葉氏は「花への感謝の気持ちを込めていけさせていただきました。これからも学び続けていきたい」と話しました。
同じく25日の13時30分から池坊ビル1階で、池坊短期大学の学生によるいけばなパフォーマンスが行われました。「~afternoon ikebanaはいかが?~」をテーマに明るい音楽が流れる中、ティーカップとケーキプレート風の器にガーベラやレースフラワー、スイートピーなどをいけました。可愛らしい演出と短大生の若々しいパフォーマンスに多くの方が足を止め、見入っていました。
26日に行われた教学研修会では、午前の部は井口寒来特命教授が「古典は創造の源(みなもと)」と題して、伝統文化でありながら生活文化であるいけばなについて「変わらない為に変える」ことや、伝統は革新の連続にあるとして「創造からイノベーションする」ことについてなど講演しました。午後の部は倉田克史准教授が「いくる、いける、いかす!-いけばなを他分野から考察する-」と題し、花伝書や家元の著書などを紐解き、それぞれの言葉に込められた意味から花をいける時の心の持ちようとして「ニュートラルな状態をキープすること」などについて講演しました。
期間中は雨天の日もありましたが、六角堂境内の桜も満開を迎え、多くのご来場をいただきました。
ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。
「2024年 春のいけばな展-池坊中央研修学院祭-」は2024年3月15日(金)から18日(月)に開催します。