「Moments of Life」が開催されました
いけばなと映画、デジタルアートが融合する時空間ミュージアム「Moments of Life」が2月26日(土)~3月1日(火)、華道家元池坊のホールで開催されました。
本展は、「MIRRORLIAR FILMS Season2」の短編映画9本をモチーフに制作されたいけばな9作品と、映画といけばなから得られるデジタル情報をもとに映像化されたデジタルアートが1つの空間の中で展開するもので、いけばなと映画とデジタルアートの3つの異なるジャンルの表現が融合する新しい試みとして開催されました。
いけばなの制作には次期家元池坊専好のほか、池坊華道会の会員の中から募られた4名と4チームが参加し、池坊短期大学華道部(林景星氏・猪又あゆみ氏・村田有紀氏・井上光氏)、池坊中央研修学院研究員 柿沢正一氏、加藤真啓氏(IKENOBOYS)、たとよき(池坊中央研修学院研究員 井上太市氏・山田清勢氏・佐竹義望氏・安登貴氏)、team QUALIA(片岡清美氏・大網真理子氏・矢比弓子氏・吉松亮氏)、豊丸利恵氏、flo.werk(中井恵氏・戸嶋佑美氏・尾谷真弓氏・小澤茜氏・宮下智美氏)、山室涼平氏(IKENOBOYS)の8組が参加しました。参加者の中には小学生や同じ教室のメンバーなど、幅広い層の会員が参加しました。
映画は「いのち」や「生と死」といった内容をテーマにしたものが多く、いけばなの制作にあたっては事前に映画監督との打ち合わせが行われました。登場人物の距離感を花器の構成で表現したものや、理想の世界と現実の世界を一瓶で表現したもの、孤独を表現したものなど、各チームそれぞれに映画の印象的な要素を象徴的に取り出し、いけばなに表現しました。
28日(月)には、短編映画を制作した監督や華道家によるスペシャルトークイベントが開催され、MIRRORLIAR FILMSプロデューサーの山田孝之氏、監督の阿部進之介氏(オンラインで出演)、三島有紀子氏、柴田有麿氏、Azumi Hasegawa氏、THINK AND SENSEヴィジュアルアーティストの松山周平氏、池坊中央研修学院 研究員 柿沢正一氏、池坊短期大学華道部、山室涼平氏、teamQUALIA、池坊専宗氏が登壇し、『適度なふたり』に主演した永野宗典氏が司会を務めました。トークでは、映画をモチーフに作成されたいけばなとデジタル映像について見どころや制作秘話、監督等によるいけばなについての感想が語られました。
柿沢氏はいけばな作品について「普段のいけばなではしないような表現にあえて挑戦した作品もある」と話し、制作にあたって「映画を通した時のいけばなの美しさというものを考えた。美観というのは様々で、美観の多様化を改めて感じた」と語りました。次期家元が作品のモチーフにした『インペリアル大阪堂島出入橋』の監督を務められた三島有紀子氏は作品を見て、「主役を演じた佐藤浩市氏がここに立っているよう。いけばなの表現力を改めて感じた」と評しました。トークイベントでは、関連イベントとして3月2日(水)からスタートする特別展示「MOVINGー持って帰れる石と、いけばなー(あるいは循環する“祈り”の展示)」について池坊専宗氏から紹介も行われました。
期間中は映画をイメージした色合いで六角堂の夜間ライトアップも行われました。