家元・次期家元
2021.07.24

次期家元 池坊専好が京都芸術大学公開連続講座で講演を行いました

次期家元 池坊専好は京都芸術大学(京都市左京区)内の京都芸術劇場 春秋座で6月28日、『いけばなにおける型の概念とその変遷』をテーマに講義・デモンストレーションを行いました。同大学の公開連続講座 日本芸能史「型と創造」(全14回)の第4回「華道」の回で、一般受講者150人が会場、学生500人がオンラインで受講。講座では歌舞伎、能など毎回各界の第一線で活躍する方々を講師に、実演なども交えて講義が行われています。

次期家元は、スクリーンに画像や資料を映しながら、いけばなの源流から型ができあがっていくまでを時代を追って説明。そして、二代池坊専好により立花が大成し、型が決まったことにより教えやすく学びやすくなったが、一方、高弟同士で争いも起こったことなどを指摘し、「型をどう解釈し、いけるのか、一人一人の作風が違う。伝統という枠には収まりきらない側面がある」と語りました。続いて、それまでの立花正風体の型では表現しきれない美をあらわすために、池坊専永宗匠が1999年に発表した立花新風体について述べました。そして新風体は型の否定ではなく、二代専好の理論、精神性がヒントになったこと、発表されて20年以上たつと、良いとされた作品をまねるなど、型を持たない新風体もパターン化する部分が出てきた現状にも触れました。

その後次期家元はアジサイ、カキツバタ、オクロレウカ、カラーなどを用いた立花新風体を披露し、「正風体はたくさんの枝を使うが、新風体は少ない本数でいけることも可能」「正風体ができた頃、豪華で重厚なものが好まれたが、現代はシンプルな花、また、材料も少なくなり、環境に負担なくいけられる花も求められている。いけばなは、いける時代に合わせて変化する」と結びました。最後に質疑応答があり、多くの質問が寄せられました。

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