イベントレポート
2024.11.28

令和6年度 旧七夕会池坊全国華道展を開催しました

華道家元池坊では11月13日から18日まで旧七夕会池坊全国華道展を開催しました。今年度は「花 いのち みらい」をテーマに、期間中、展示替えを行いながら延べ約900点のいけばなを展示しました。

今年も大丸京都店6階 大丸ミュージアム京都を会場に、2会場で実施しました。初日の13日にはオープニングセレモニーが行われ、華道家元四十五世池坊専永家元、池坊専好次期家元、池坊美佳審議役、池坊雅史事務総長、池坊専宗青年部代表、来賓として大丸京都店山崎敏子店長が出席され、家元および山崎店長からごあいさつがありました。家元は出瓶者に向けて「いけばなは、大変短い命。この命を大切にして、次の世代へと伝え続けることが一番重要です」と話され、その後、会場内の全作品の巡視が行われました。

大丸会場には、入口に、万博のイメージカラーの赤、白、青の3色を用いた花席を設け教授4名による大作自由花などを展示。会場は、自由花・生花・立花と分かりやすくコーナー分けされ、教授陣は命をテーマにした作品テーマと解説を掲示しました。
花展会場前では山から切り出した木の枝に青年部の有志が糸を張って「木の屏風」を制作。青年部席出瓶者による秋の草花を配した花との合作は注目を集めていました。四条正面入口ショーウインドウには、花展前と花展期間中の2週間にわたり、大作を飾りました。店内各所、地下ウインドウにも作品が展示されました。

宗匠は『心眼』と題して、松、梅、ホトトギス、ケムリソウ、黄金柊を用いて大作の立花新風体を出瓶され、「自分の記憶や感性を動員して心の眼を開いてほしい」と話されました。
若宗匠はミモザアカシア、オンシジウムで大作自由花。「枯れたミモザアカシアの躍動感のある姿、自然の色に感動し、主役としました。命の変化も感じていただければ」などと話さましれた。
青年部代表は、白木地と粒子状の白のグラデーションが印象的な花席。ローマンガラスを器に、コミカンソウ、キチジョウソウ、センニチコボウを用いたいけばななど、2回いけ替えられました。

15日からは池坊会場が始まり、開会式では、次期家元、来賓の都倉俊一文化庁長官、高科淳公益社団法人2025年日本国際博覧会協会副事務総長、古川博規京都府副知事、吉田良比呂京都市副市長からごあいさついただき、次期家元は「今年の旧七夕会は、来年行われる大阪・関西万博にテーマやポスターの色を重ね合わせています。万博会場内で池坊も初日から花展を開催予定で、相乗効果で改めて日本の伝統文化を発信できるのではと期待しています」と話しました。その後、来賓の方々および、家元、次期家元によるテープカットが行われました。

家元道場には、家元、次期家元、審議役、青年部代表はじめ華道家元池坊名誉教授、池坊中央研修学院教授、研究員、華﨟職、(一財)池坊華道会役員などのいけばなが展示されました。
宗匠の書と画「新月」が掛けられた家元花席に宗匠は前期はニワウメ、バンダナス、テマリシモツケ、後期はヤマブキ、タニワタリの木、モミジの生花新風体をいけました。
若宗匠は、バラ、クロジクヤシ、ウメ、パープルファウンテングラスなどを用いた立花新風体を出瓶、ギョリュウ、キルトスペルマ、バラで生花新風体をいけ替えました。
審議役は、前期はパキラ、アカバパインリーフ、ラン、後期はアラエオココス、パイナップルリーフで生花新風体を出瓶。
青年部代表は、前期はミモザ、マツ、ヤマニシキギ、セキショウなどを用いた立て花、後期はツバキの生花をいけました。
また1階に教授席、家元華﨟職の道場席(前期)、委嘱席を設け、2階は池坊中央研修学院教授陣・研究員・特別嘱託講師、招待席。教授陣は作品にそれぞれテーマを掲示しました。

花展エントランスとなる本館8階は、池坊中央研修学院教授・客員教授8名による特別展示「自由花」。7・5・4階は委嘱席。6階は学術研究室選抜席、池坊中央研修学院総合特別科選抜席。5・4階は前期に支部選出コンクール席、コンクール前年度優勝支部・優秀者の各席が設けられた。WEST18ビル1階は池坊短期大学学生、池坊保育園児の作品も展示されました。

WEST18ビル 7階では15日から18日まで池坊青年部イベント『Just Chillin Day ―青年部サロン—』が開催されました。
16日には青年部代表と青年部花席出瓶者とのクロストークが、17日には青年部ラジオ試聴会がおこなわれ、全国の青年部員や会員が参加しました。

17日にはIkenobo花の甲子園2024全国大会が開催され、地区大会から選ばれた13チームが出場、高校華道日本一を目指しました。今年のテーマ「青春」に合わせて、それぞれの地域の特徴を表現したり、家族や友人などへの思いを花に託して、作品を完成させました。優勝は岐阜県立岐阜商業高等学校、準優勝は秋田県立横手城南高等学校、3位は茨城県立取手第二高等学校が選ばれました。大会当日には大会アンバサダーのお笑い芸人のミキが来場、塩月希依音氏(NMB48)が司会アシスタントを務め大会を盛り上げました。

いけばな資料館では15日から18日まで特別展示「友馨 立花の世界 第1章―薄端立花瓶に立つ―」として、三浦友馨特命教授が所蔵する江戸時代の立花瓶59点を展示しました。そのうち4点で三段枇杷、二つ真などの立花を披露。特命教授による展示解説なども行われました。

花展期間中は、両会場ともに多くの方にご来場いただきました。皆さま、ありがとうございました。

※令和7年度旧七夕会池坊全国華道展は2025年11月12日~17日に開催予定です。

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